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皆さんこんにちは!
埼玉県比企郡小川町を拠点に関東圏内の建設現場での鉄骨工事一式を行っている
有限会社須永鉄建、更新担当の富山です。
目次
今回は、鉄骨工事が環境に与える影響と、それに対する業界の取り組みについて深掘りしていきます。
鉄骨工事といえば、高層ビルや工場、橋梁などあらゆる大型構造物に関わる重要な工事分野です。しかしその一方で、資源・エネルギーの大量消費や産業廃棄物の発生といった環境問題とも隣り合わせであることはあまり知られていません。
まず注目すべきは、鉄骨の製造段階におけるCO₂排出量です。鉄鋼はその生成過程で多量のエネルギーを要するため、製造時の温室効果ガス排出が極めて多い素材として知られています。
具体的には、1トンの鋼材を生産する際に約2トンのCO₂が発生するといわれています。
このような背景から、建物の構造に鉄骨を採用することは、設計段階から「環境負荷」を前提に考える必要があるのです。
製造だけでなく、現場施工においても環境リスクは存在します。
ガス溶接・溶断作業に伴う排煙・微粒子の飛散
これらは作業員の健康だけでなく、周辺住民への影響も指摘されています。
騒音・振動の発生
クレーン作業やボルト締結時の衝撃音、鉄骨部材同士の接触音などが、住宅地近くではトラブルの原因になりかねません。
鋼材の切断・端材の廃棄
鉄屑や鋼材の端材、使用済み資材は産業廃棄物となり、適正処理が求められます。
業界ではこのような環境課題に対し、さまざまな改善策が模索・実行されています。
近年では、CO₂排出の少ない「電炉鋼材(リサイクル鉄)」が注目されています。廃鉄を再利用して作る電炉鋼材は、環境負荷を大幅に軽減可能です。
鉄骨を工場でユニット化(プレファブ)し、現場ではボルト締結のみで組み上げることで、作業時間と資材ロスを減らす取り組みが増えています。これにより、作業中の騒音や振動も抑制できます。
BIMやドローンによる現場計測・資材配置のシミュレーションにより、過剰な資材手配や輸送回数の削減につながります。
環境対策はゼネコンや施主だけでなく、実際に工事を担う鉄骨業者にも責任がある時代です。
エコマーク付きの鋼材の選定
資材の再利用計画
排出物の記録と適切な廃棄処理
こうした一つ一つの行動が、持続可能な建設業界を支える大切な柱となります。
「強さ」と「柔軟性」を併せ持つ鉄骨構造は、都市を支える基盤です。しかしその強さの裏には環境への代償があることを、私たち業者は自覚しなくてはなりません。
今後の鉄骨工事は、「いかに少ない資源で、最大限の構造をつくれるか」という省資源・省エネの視点が不可欠です。
次回もお楽しみに!